第七旅団の歌(第七旅団のゆくところ)ボーカル

「第七旅団の歌」について「第七旅団の歌」考という文章をWEBに掲載したのは、もう20年以上前のことである。 載せていたのはfree serverだったので、サーバーの閉鎖のたびに、移転を繰り返してなんとか継続してきた。

そのうちに、ボーカロイドの歌もYoutubeで見かけるようになった※1。しかし、メロディへの歌詞の乗せ方には、少し違和感があった。

また、私の入力の転用ではない本格的な演奏が「江草啓太と彼のグループ、里見京子」によって、「第七旅団のゆくところ」としてYoutubeに上がっているのにも気づいていたが※2、最近になって、この作品が「宇野誠一郎ソングブック・エクストラIII」(Released on: 2019-12-11)というCDに収録されているものだということを知った。20年近く経って宇野氏のサイドに公式に取り上げられたことはある意味で感無量である(WEBに公開する前にご本人宛に一度手紙を出したことはあるのだけど)。

ところで、今回のテーマは、私もボーカルを作ってみた! である。
ボーカロイド(ヤマハTM)ではなく、MuseScoreで楽譜に歌詞を入力して、NEUTRINOという歌声シンセサイザーで発声させるという手順だ。
出来合いのMIDIをMuseScoreに読みこませて歌詞をつけるだけと思っていたのに、ネックが二つ。
NEUTRINOの仕様が1音符1音、そしてMIDIの和音部が邪魔をするということ。二つ目の方は、和音部を入力していないファイルを使えばいいだけだけど――探すのが面倒だったので、和音部を削除した。
自分で作ってみて分かったのは、違和感の正体は、4分音符に2音乗っている歌詞部分をどう分割するかだった。最初は単純に8分音符2つに分けたのだけど、もう一つしっくりこない。そこでふと気づいて採譜してもらった60年代の歌い方を参考にした。採譜は音からなので、当然2音に分かれて記述されている。付点8分と16分、16分と付点8分という分割が多かった。
そして、最後にア段の長音(音引き)部が何故か裏返るようにRの音が出る感じがして、短い休止符を入れることで回避した――これも採譜版では休止符が入っていた。

NEUTRINOに歌声は現在、女声8種、男声1種が用意されていたが女声(めろう)と男声(ナクモ)の2種類だけ試した。OUTPUTは1回につき2種類が出てくるので、合計4種類。ナクモに期待していたが、めろうの方がこの曲には適しているように思った――といってもピッチや声質の調整なしのデフォルト値のままであるが。

「めろう」の声の「正調」と60年代の「oral伝々採譜版」を載せる。

 第七旅団のゆくところ(正調)

 第七旅団の歌(60年代oral伝々)

2023/1/10作成


註※1
Youtubeの音源は phaeo2000さんの2014/08/27のものが3種類。
【Vocaloid 3】初音ミク 
【Vocaloid 3】メイコ  
【Vocaloid 2】巡音ルカ 

註※2
第七旅団のゆくところ
江草啓太と彼のグループ、里見京子 

追記 (2023/11)
友人に教わって、さこ大介&ヒデマロの「美しき五月のパリ〜パルチザンの唄」をYouTubeで知った。パルチザンの唄(第七旅団の歌)は3:17あたりから
アップされたのは、2008年1月28日となっているが、演奏は1994年9月3日 大阪「Rain Dogs」で、私が「第七旅団のゆくところ」をアップするだいぶ以前である。したがって歌詞も旧い伝承のものだ。
「第七旅団」のところが「パルチザン」となっているのは、おそらく「京大パルチザン」のことだと思う。歌っている奥村ヒデマロさんが京大のバリケードかォに出入りしていたのだろう。


<<連絡先・Email>>